「いぶき宿通信」No.30

小浜原発僧侶「一般社団法人(非営利)いぶき宿(じゅく)」通信2018 No.30 2018.12

主の御降誕と新年のお喜びを申し上げます

   本年のご支援に心から感謝申し上げます。来年も宜しくお願い致します。

鎌倉市民クリスマスパレード
11月8日(土):キリスト教/プロテスタント、カトリック、仏教の僧侶も参加しての主の降誕をつげ、平和を祈願するパレードでした。祈りの集いは雪の下教会の敷地道路脇で行なわれたので、若宮大通りの観光客、鎌倉八幡宮への段葛を歩いている人たちも何事かと、車も徐行しながらこのイベントを覗いていたり・・・
多くの人の目に触れました。

市民クリスマス
平和の光を鎌倉の地から

お坊さん、牧師さん、神父さんたちが壇上に並んで祈っている姿を、若者は「聖(セント)にいさん(仏陀とキリストの漫画)、みたい」とコメントしていたのが印象的でした。

聖にいさん
宗教者が一つとなって平和のために

また、段葛で止まってみている人は、積極的にプログラムを受け取ってくれたり、賛美歌を歌っているときなど、一緒に歌いながら段葛を歩いている人も見られたり、その人々の顔は心なしか緩みほころんでいるようでした。

共に生きる地球家族
第40回日本カトリック正義と平和全国集会が、11月23日(金)24日(土)と名古屋で行なわれました。16の分科会に分れ、日本社会の様々な課題を取り上げた分科会でした。
どれもじっくりと耳を傾けたいものばかりですが、1点突破全面展開と個人的には、分科会「美しい若狭を守ろう〜世界一原発密集地域から」に参加しました。

小浜原発僧侶

ここでの講演者は50年間一貫して原発拒否し続け、小浜市の原発設置を拒否し続けた運動に取り組んで来られた僧侶でした。
中嶌哲演さんは小浜市明通寺の住職です。ご住職はガリ版手刷りのちらし「鈴声」を一軒一軒托鉢しながら配り続けられたのです。それには原子力発電がどのようなものかが書かれ、若狭が原発銀座となるように狙い撃ちされていることも・・・2012年には大飯原発再稼働に反対してハンガーストライキもされ、2014年には福井地裁で勝訴判決を勝ち取っています。が、
大飯原発3号機、4号機について、地元の福井県おおい町議会は、再稼働を容認することを決め、町長に報告しました。これを受けて、町長は近く再稼働を認める町としての意向を福井県知事に伝えるとみられています。
政府が求めていた地元同意のうち、初めて再稼働を容認する判断を下したおおい町議会。
時岡町長は近く、町としての意向を西川県知事に伝える見通しです。(2012.5.14 TBS Newsネットより)
2018年3月14日に3号機が再稼働しました。小浜住民は原発立地地元ではないということで、小浜市民の反対は却下されました。
ちなみに大飯町の人口は8,351人、世帯数3,183小浜市の人口は29,398人世帯数11,987
小浜市も放射能の影響をもろに受ける地域であるにもかかわらず・・・何ともおかしな理屈。

朗読劇 線量計が鳴る 〜元原発技師のモノローグ〜

脚本・出演中村敦夫の朗読劇が12月16日に鎌倉生涯学習センタ—ホールで行なわれました。2時間の朗読劇は迫力に富み、原発の全貌が見渡せ、点での情報が線になり、面になり、立体として見えてくるようなものでした。
「右を向けと言われたら右を向き、左と言われれば左を向き、死ねと言われたら死ぬと。俺はもう、そんな日本人にはなりたくねえんだ。」

中村敦夫

「起きてしまえば、原発事故は戦争に匹敵する巨大なテーマである。正面から取り組まなければ、表現者としての人生は完結しない。」
原発に関して「一から学び直し、問題全体を血肉で理解する必要を感じた。」血肉で理解するとはどういうことなのだろうとちらしに書かれた中村さんの言葉が心をついてきました。今の福島の姿だけでなく、今の姿になる越かたを掘り下げ、チェルノブイリを訪ねて、これからの福島の姿を捜した中村さんの原発に正に、正面から向き合っている姿が朗読劇の中からもビンビンと伝わってきました。
舞台のスクリーンには必要に応じて資料が映しだされました。データーを読み込み、出された事実とその背後にあるものをみすえて脚本がつくられ、朗読がすすめられて行きました。ここに、この朗読劇が事実だけでなく、真実を追究していることが理解できました。
「マスコミは大スポンサーである電力会社に忖度し、反原発の言論を神経質にチェックする。日本は、『報道の自由』世界ランキングで、70何位と言う不名誉な評価を受けている。まさに、報道統制国家である。・・・
この境遇の中で、表現者が『真実』を披露するのは可成り困難である。・・・私は複雑な情報を整理し、材料を取捨選択し、原発の抱える本質的な問題と構造が誰にでも分りやすく見えるような作品を書こうと決意した。・・・私は、原発と言う巨大テーマに、素手で立ち向かうことになった。」(『線量計が鳴る』中村敦夫P.6)
78才にもなられている中村さんは、2時間の朗読劇を全身全霊で立ったまま演じておられました。気魄を感じました。
「ジャーナリストにとって大事なことは、単なる事実報道ではなく事実に基づいた真実を伝えることだと思います。いまのマスコミも確かに事実は伝えています。福島原発事故の際の政府や東電の発表も一つの事実ですから。しかし彼等が言うことの裏の面やまだ明らかにされていない事実があるかもしれないことに注意を払い、それを掘り起こさなければなりません。・・・どこにもこびず、焦らず、数十年先を見通す目を持って、時間をかけて時代を撮り続けることの大切さが、この年になって分ったというのが今の実感ですね。」(『消される原発労働をおいかけて』樋口健二)撮影50年炭坑労働者、四日市公害、水俣、そして原発労働者の写真を撮り始めて38年。とても説得力のある言葉です。この二人がどこか繋がっているように感じました。

「この本の二作は、プロ、アマチュアを問わず、原発ゼロを目指す人々によって、どんどん上演されることが作者のねがいである。」(同上p.7中村敦夫)
ありがたいお言葉です!プロ、アマチュア問わず、脚本を使っても良いと言う・・・

                                    野上幸恵記

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