「いぶき宿通信」No.28

「一般社団法人(非営利)いぶき宿(じゅく)」通信2018 No.28 2018.8

仙台教区サポート会議
8月24日、福島市野田町教会で東日本大震災・福島第一原発事故から7年間の活動を振返り8年目を迎えるにあたり、活動を通して見えている現状、問題、今後の課題について福島県内の小教区で活動を継続している人たちの意見交換がなされました。
All Japanとして、大震災直後から日本のカトリック教会は一丸となって復興支援に取り組んできました。今回の会議は福島の活動について、現場で活動している人から、福島の現状、問題、課題を聴き、8年目を迎える中で、今後の取り組みを考える素材集めだったのでしょうか。
司教団の復興支援担当司教、当地の仙台司教、3教会管区の復興支援責任者の司教(東京出席、大阪と長崎欠席)カリタスジャパンの秘書、司教団仙台教区支援担当補佐、同事務局、全ベースの参加者などが参加していました。
多重な問題が複雑に絡み合った中での活動は年限を経るにつれて難しくなっています。
7年という時間はそれぞれがそれだけ年を取るということです。子どもにとっては成長するということ。当時0才だった乳児は小学校に入り、90才前半だった人は100才を越え、鬼籍に入られた方も多いです。高齢者二人で支え合っていた人の中には一人になった人も。
教皇フランシスコの言葉「現実こそが神の場である。今この時に生きることを大切にしたい」が思い出されました。現実は過去の出来事ではなく、それを背景にした今、それぞれの個人、地域社会、・・・が7年間の歴史(今の連続)を背負っての現実であることを思いました。真摯な想いに背筋が伸び、その現実の前に頭が垂れるようでした。

さんさんバザー@えすぺり
8月25日、「えすぺり」での「さんさんバザー」も10回目を迎えました。原発事故に伴い、地域で農業をしていた人たちはいのちの大地を放射能で汚され、汚染された大地からの放射能が農作物に移行しないように様々な手立てをとり続けながら、農作物の放射線量を一つ一つ測定した日々。出荷停止となり、希望を失い、心身のバランスも崩れ、自ら死を選んだ人も一人二人ではありませんでした。出荷可能なところまで漕ぎ着けても、今度は買ってもらえない日々が続いていたのです。
地域の農家さんと一緒にしていた直売所も閉鎖に追い込まれ、暗〜〜い容姿のお仲間、仲間と一緒に再度、希望を見つける為に仲間の農家さんが農作物を並べることのできる「えすぺり」(エスペラント語で希望)を立ち上げ、そこが人々の集まる場となることを夢みられて大きな借金をかかえての素人の商売の出発を決断されたのは大河原さんご夫妻でした。言葉には尽くせない苦労と眠れない日々が続いたことでした。
その大河原さんに出会えた私たちは、とても感謝しています。私たち「いぶき宿」はいのちのいぶきが出会い、場を共有し、いのちの交流をもち、いのちを育て育むことを夢みています。
その夢が今回の「さんさんバザー」で、目の前にあらわれたようでした。もちろん、今までもこの夢は「えすぺり」で、その時その時に実現していました。が、今回のバザーでは、「神さまの粋なお計らい」に出会った強い印象を持ったのです。「えすぺり」がいのちの様々な側面の出会いの場を提供し、その場を共有している人がいのちを豊かに育てているという実感をもったのです。
最初に出会った頃の「えすぺり」に作物を納入されている農家さんの顔と、今の農家さんの顔は、全くちがいます。希望のなかった顔に希望の光がともり、明るいお顔になり、かかわる人にも希望の喜びを伝えておられるようです。
そして、新しい商品を開発しておられる前向きな姿勢に「希望」を感じました。
そんな場は、絵画展、着物リフォーム展、ライブ、人業劇など、実に様々な人々の文化交流の場でもあります。また、地域の人々の交流として夜のイベント:うぬぼれ文化祭(大人の文化祭)/自分が今嵌まっていること、やっていることの発表会(演奏であったり、朗読であったり・・・)/が開催されて、和気あいあいとそれぞれの別の顔が自己紹介され、関わりを深めておられます。
さて、今回のさんさんバザーでの詰め放題に出されていたのは、枝豆とミニトマトでした。人だかりが・・・覗いてみると、枝豆の詰め放題。あっという間に完売でした。

詰め放題         錦糸かぼちゃ

(詰め放題)                           (錦糸かぼちゃジャムになるよ!)
今回もアロマトリートメントを持って行きました。お顔なじみになっている方もあり、また会えるのがうれしく、楽しみな時でもあります。
「今日はしてもらいたいから、これをもって行って差し上げる」と、ご自分でつくられたおとぎり草の「虫さされ」にいい自然薬を持って来てくださいました。うれしかったです!
お店を出しておられる方々は、お客さんのアロマトリートメントが先と思っておられるので、いつも遠慮がちです。でも、今回は私たちが3人いて何となくゆったりしていたので、イベントが終わってから、次々とお願いできますか?と来てくださり、夕方の6時までトリートメントを提供できました。「あ〜〜あ、今までこのゆったり感が私たちになかったのかな」と反省至極でした。このゆったり感が私たちの中に醸し出されたのは、ひょっとして今日のお二人との出会いかもしれないと思いました。
お一人は、72才の陶芸家、日下部正和さんです。「えすぺり」に入って来られた時、おみ足の悪いことに気づきました。お声かけしてトリートメントをして差し上げたいなと思って、呼び止めました。

ハンドトリートメント               杯

(トリートメント)                               (日下部さんの焼き物)
何か持っていらっしゃる方だなとの直感が働きました。にこっとして「お願いしようかな」と素直に受けてくださった姿勢に、素直な方だなと思いました。お話をうかがいながら、世界の各地に「陶器の焼釜」を作っておられる陶芸家ということが分り、陶器の話しに花が咲き、油滴天目の話しで盛り上がっていました。トリートメントが終わり、「一寸家にいってとって来ます」といって、私たちに油滴天目の杯(ちょっとわけあり)を一つづつプレゼントしてくださいました。また、ご自分が大病で余命3ヶ月と言われてから、書かれたお地蔵さんの顔(墨絵)もプレゼントしてくださり、来年の三春の時に工房をお訪ねする約束をしました。
そしてもうお一人は、サックス奏者の坪山健一さんでした。大変多くのレパートリーの中から、お客さんのリクエストに応えて演奏してくださいました。ソプラノサックス、アルトサックスとリクエストに応じて代えての演奏です。
久しぶりのライブでした。サックス演奏があったせいでしょうか、お客さんが多かったです。また、男性もたくさん来てくださっていたのが印象に残っています。懐かしい曲目が流れ、トリートメントの流れも音楽的になっていました。心地よい空気がみなぎっていました。そして、何とこのサックス奏者坪山さんは高山右近の列福式の音楽を作曲された方だということが話している中で分りました。私たち3人がシスターだの修道院だのとの言葉を発していたのを小耳に挟まれ、ご自分もカトリックだと、同じ信仰の繋がりが一気に距離を縮めました。

サックス演奏         教皇ことば

(サックス演奏)        (日下部さんの墨絵)
「一般社団法人(非営利)いぶき宿(じゅく)」通信2018 No.28 2018.8

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です