「いぶき宿通信」No.27

「一般社団法人(非営利)いぶき宿(じゅく)」通信2018 No.27 2018.8

「核兵器禁止条約で変わる世界 被爆国・日本は?」
2018年8月11日(土)鎌倉生涯学習センタ—で、上記表題の講演会・対談が企画された。
講師は、川崎哲氏、講演後川崎氏はスティーブン・リーパー氏と対談された。
川崎氏は、2017年ノーベル平和賞を受賞したICAN(International campaign to abolish nuclear weapons)の国際運営委員をされている。又、ピースボートの共同代表でもある。
スティーブン・リーパー氏は平和活動家であり、2007〜2013年米国人として初めて広島平和文化センターの理事長をつとめていた。
川崎氏は、ICAN事務教区長ベアトリス・フィン氏と共にシンガポールへ行き、朝鮮半島非核化と「核なき世界」へ向けた「5ステップ」の構想、政策提言を行なった。5つのステップは5つのRからなる。
① 核兵器がもたらす非人道的な結末を認識する(recognize)
この認識は、多くの韓国・朝鮮人被爆者を含めて、広島・長崎の生存者の声を聞くことによって得られるのでその声を聴くべきである。
② 禁止条約に加入し核兵器を拒否する(reject)
③ 核兵器を検証可能で不可逆的な計画のもとで除去する(remove)
④ 包括的核実験禁止条約を批准する(ratify)
⑤ 北朝鮮が核拡散防止条約と国際社会に復帰する(rejoin)
この提案は、日本、韓国も積極的に行動し、「核の傘」の幻想から離れて、核兵器禁止条約に加入すべきと提案している。
川崎氏は講演で「核兵器禁止条約」の採択までの経緯や、核兵器禁止条約の内容について丁
寧に説明をされた。
「核兵器禁止条約」採択の交渉会議の日本のテーブルには、大きな折り鶴がおかれその翼にwe wish you hereと書かれていたそうだ。

icat                     折鶴

第一条(禁止)a:核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、b,c:核兵器やその管理の移譲(直接、間接)、d:核兵器の使用、使用するとの威嚇、e,f:これらの行為をいかなる形でも援助、奨励、勧誘することg:自国内に配置、設置、配備。
日本が「核兵器禁止条約」に署名、批准することに何ら問題はないということが説明された。核の傘のもとにいるということはアメリカに核を使ってくださいと奨励、勧誘しているようなもので、それは恥ずべき人道に反する行為の加担者になることと同じだとの説明された。
第四条(核兵器の完全廃棄)
この条項の原案を作ったのが南アフリカであった。かつて南アフリカは核を持っていたが、完全廃棄を行なった歴史があり、それを踏まえてこれらの条約の原案が作られたとのこと。それで、現実に即したものとなっている。
第六条(被害者援助と環境回復)
この条項には広島・長崎そして世界核地域での核実験、ウラン採掘による被爆者の証言が大きな役割を果たした。被害者援助に関しては赤十字国際委員会が核の非人道性の声明を出したことが大きく作用した。
ピースボートに広島・長崎の原子爆弾(核)被爆者が乗船し、世界に核被害について当事者が証言をし、現在は福島の原発(核)被災者も
証言者として乗船している。広島・長崎・福島が核廃止で繋がっている。
日本がこの条約に署名し、批准する為に、私たち一人ひとりができることとして、Yes, ICAN、被爆者国際署名の署名活動がある。

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