「いぶき宿通信」No.20

「一般社団法人(非営利)いぶき宿(じゅく)」通信2017 No.20 2017.9

【漫画「いちえふ」】
漫画

7月10日「毎日メディアカフェ」では、竜田一人さんが講師として「いちえふ」の現状を、現場で働いた人としての体験から話しをされました。まんが「いちえふ」を読んでいたので当事者からの生の話しを興味深く聴きました。
「いちえふ」は2012年10月から第一原発で働き始めた竜田(仮称)が生の体験を後世に残すために記録として漫画に描き、「モーニング」で連載されたものです。漫画本として刊行されたのは2014年。
反響は大きく、ドイツ語、フランス語、スペイン語・・・そして英語は今年2017年に刊行されました。英語が遅れたのは、右開きの日本語版を左開きの英語にしてページに書かれている分割(まんが)を日本語版と忠実に同じにしたことから遅れたとか・・・
また、この漫画はかの大英博物館に保存版として所蔵されているとのことです。確かに生の記録としては大変に貴重なものです。
竜田さんは、記録を漫画だけでなく、歌でも残そうと思われ、毎日走っていた国道6号線の詩をつくり、歌として披露してくださいました。
『ルート6』の2番の歌詞には
スタート地点Jヴィレジは、日本サッカーの聖地
東京電力完全占拠で 今やピッチも駐車場
ここで着替えろドライバスーツは白いツナギのタ
イベック・・・と続き、国道6号線の状況が記録
されています。
富岡の手前での通行禁止区域でUターンさせられて帰って来たあの頃を思い出しました。
あれから、7年。福島浜通は大きく変わったところと、依然としてそのままのところの格差が

どんどん広がっているようです。

【環境変化条例で対応: 太陽光発電所アセス広がる】

朝日新聞8月21日の朝刊にメガソーラーが環境影響評価(アセスメント)法の対象外となっていることから来る環境破壊が生じていること、生物保護が議論もされることなくメガソーラーの建設がなされ、千葉県成田市の湿地を訪れる野鳥が少なくなり、希有な野鳥がみられなくなっているとかかれていました。
霊山の美しい山並みが変形され、豊かな木々が伐採されてメガソーラーに場を奪われる日が刻々と迫っていることに危機感を募らせているわたしたちは、霊山を訪ねました。今回は富山からの友人も一緒でした。彼女の友人は今滋賀県で建設されようとしているメガソーラーの反対署名を一生懸命にしています。

酒井さん(竹かごは酒井さん作)

前回訪ねた酒井さんを訪ねました。本当に喜んでくださいました。「知らない人がこうして訪ねてくれるって、ありがたいね」とおっしゃってくださりながら、「私は片平さんの縁の下で応援してるだけ」と93才のお年を感じさせない力強さを感じました。そこにはかつてゴルフ場建設に狙われて7年近い年月の反対運動の末、バブルがはじけたことによりゴルフ場の建設が不可能となった闘いが隠されていました。今同じ場所がメガソーラー建設地(東京ドーム46個分)として確保されています。その反対運動をしているのは酒井さん親子と片平さんの3人。わたしたちに出来るのは、こころにかけて一緒に反対していますとのメッセージを送ることくらいで歯がゆいです。が、それでもそんなわたしたちの訪問を喜んで暖かくむかえてくださる優しさは自然との共存から生まれてくるのでしょうか!

蚕廃屋(かつては、養蚕が盛んだった地域。お蚕さんの廃屋)

過疎地化していった土地は買い占められ、ゴルフ場の建設計画が。

ゴルフ場事務所(ゴルフ場建設計画の頃の事務所あと)

それもはじけ転売された価格が何と5億数千万円から3012万円に。(「いぶき宿通信」15参照)

中間貯蔵(原発核事故。奥に見える囲いは放射性物質中間貯蔵施設)

クリーンエネルギ—としての原発がおこした核事故の影響をもろに受けている霊山に、新たなエネルギ—供給としてメガソーラーの建設が襲っています。奥に見える山並みがなくなるということの意味を想像する力が問われています。
あの山が3.5キロずっと形を変えられ、パネルが張られるという途方もない環境破壊の計画を多くの人は知らされないままです。
伊達市にいる人も知らないと言うことを「さんさんバザー」で出会った人から聞いてびっくりしました。また、三春町、田村市(共に原発事故被災者福島県民)の人々の「知らなかった!」との言葉に知らされないままに全てが準備されていくという事の繰り返しに・・・背筋に冷たいものが流れました。

【えすぺり「さんさんバザー」8月26日】
バザー(今回もお仲間がブースを出して、お客さまをおまちしました)

アロマグッズ作りハンドトリートメント
(私たちは来店くださった方々のハンドトリートメントとアロマグッズ作りを提供しました。

 

6月に来てくださった方がハンドトリートメントが気持ち良く、今回も会えるのを楽しみに来てくださり、沢山の方がハンドトリートメントとアロマグッズ作りを満喫してくださいました。
ハンドトリートメントは好評で9時半過ぎから3時半くらいまで切れ目なくトリートメントを提供しました。それでもトリートメントを受けられなかった方がいらっしゃり残念でした。次回は何人かで出来る体制をとってうかがえたらと思います

【富岡駅は大変化】
富岡駅前ホテル富岡駅ロータリー

(瀟酒な駅舎とロータリー、駅前にホテルまで!1!)

【帰還困難区域はあの日から朽ちていく】
帰還困難①帰還困難②

(立ち入ることの出来ない区域、あの時のまま)

 

 

次回「さんさんバザー」は10月28日(土)です。ご一緒に福島にいらっしゃいませんか?
7年前からの時間がいろいろなことを語ってくれます。
『百聞は一見にしかず』                      野上幸恵

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