「いぶき宿」通信No.15

「一般社団法人(非営利)いぶき宿(じゅく)」通信2017 No.15 2017.3

3.11を忘れない〜福島から未来へ
2017年3月10日文京区区民センターで上記のタイトルでのイベントが国際環境NGO FoE
(Friend of the Earth)主催で開催されました。
二部構成のイベントの中で様々な現実が当事者から語られました。230名程の参加者でした。

武藤さん

原発事故の被害の実相
☆ 帰還促進政策の中で追いつめられる原発事故被害者たち
☆ つながりあう被害者と福島の今
☆ 保養の現場から
☆ 帰還せざるを得なかった母親からの訴え
母子避難を支える父親として
福島の高校生から〜ドイツで学んだ福島の姿
原発なき未来に向けて
☆ 廃炉作業員と福島原発事故の現実
☆ どうなる東電?どうなる私たちのお金?
☆ 原発事故と電力自由化後の日本のあるべきエネルギ—政策
これらの話しの中で個人的に特に心に残っていることいくつかありました。
①「つながり合う被害者と福島の今」と題しての武藤類子さんの話しで、1F1、2号機の高さ120メートルの排気筒の鋼材の損傷、

2016年6月5日
東京新聞

②高校生が福島第一原発校内を見学したこと。
③楢葉町町長の「帰町しない職員は昇級させないようにしたい」との発言
④被曝労働者の現状
⑤県内での自死の増加、2017年になってから2月末までの間に、件と市町村の職員5人が自死されたこと。2016年4月から数えて9人となっていること

いのちの光3・15フクシマ
〜生業をとりもどそう、地域を取り戻そう、
人間らしさを取り戻すために〜

2017年3月15日その日は東日本大震災により東京電力福島第一原子力は素伝書が3目の爆発をおこし、福島をフクシマへと運命づけられた日でもあります。福島第一原発から25キロの距離にあるカトリック原町教会ではミサによる祈りとその地の人の声に耳を傾ける日としています。
ミサ後に片平芳夫さんの話しを聴きました。

いのちの光片平さん

片平さんは伊達市霊山(飯舘村の北隣り)地区で放牧牧場をされています。あの日、1Fの事故により放射能雲が伊達市にも降り注ぎました。線量は高かったのですが、避難指示にはいたりませんでした。が、高放射線量のため放牧は不可能となり、牛は牛舎に繋がれ、牧草は輸入牧草を与えるという選択しか許されませんでした。当時片平さんの牧場を訪れた時には、全ての牛が牛舎で繋がれ、生まれたての子牛も牛舎の中でした。春の香りが外から漂ってくると、牛たちが出して欲しくて啼くんだと言っておられた片平さんの言葉と繋がれた牛たちの姿が、この日、話しを聴きながら明白に甦って来ました。立てなくなり座ってしまっている牛、亡くなってしまった牛。
原発関連死は人だけではなく、動物たちも・・・
今回の話しで強烈な印象を受けたことに、メガソーラーの話しもありました。クリーンエネルギ—、環境に優しいエネルギ—開発といって太陽光発電が声高に推奨されて、そうだそうだといたく納得していた自分がいましたが、メガソーラーがどんなに自然破壊をしているか、経済優先の価値観に基づいているかを片平さんのご自身の体験とそれに立ち向かっておられる姿から実態の恐ろしさを痛感しました。東京ドーム2.5倍の牧場の除染がはじまり、何度かの訪問の時に大変に貴重な表土がグイッ、ザクッと剥ぎ取られていく様子を目にして、1cmこれで100年、わ!7cmも!これで700年と気が遠くなる土(ここには様々な生のいとなみが凝縮されている)のいのちの歴史の抹殺に怒りを覚えたことが思い出されました。はぎ取られた土は8000トン。はぎ取った急斜面は雨が降れば当然流れるので、牧草を植えて留めてもらう交渉は難航し、先ず個人で1年間実験検査したあとでやっと交渉が成立したそうです。牧場の周りの山々は、バブル時にゴルフ場建設のために売却されました。230ha東京ドーム
46個分。5億数千万円。6年半にわたり、片平さんはゴルフ場建設反対に力をそそがれました。口封じに来た際にもって来た袋には1億円が入っていたとか。勿論突き返されました。しかしバブル崩壊で幸にもゴルフ場はできませんでした。が、その土地が競売になりメガソーラーのために某会社が落札。電力買い取り価格が40円から24円になり、収益を出すためにはメガにする必要性が出て来たのだそうです。その前には片平さんや他の2人に競売の案内が来たとか、一般住民に競売の案内が来るのは希なことだといわれます。落札価格は3012万円。1ha13円。1坪43円。230haのうちの
100haにパネルが置かれる予定です。大きな電力を送電するには今ある送電線では無理なので、地下を掘って地下ケーブルを張って送電する方法をとり、そのために2年間かけて地下を掘る工事がなされます。年商537億円の事業だそうです。山の周りにいるのは93才のお祖父さんと片平さんの2人だけ。地域で酪農をしているのは5人だけですが、他の3人は離れて住んでいます。現在2人で反対をしておられます。開拓後25軒あった酪農家は5軒になってしまっています。5人になったその一人は原発事故後「原発さえなければ・・」との書き置きをして自死、隣村でも自死、と関連死が出ているとのこと。
再生エネルギーはブームですが、メガソーラーは大義名分のもとでの自然破壊。前述のように1cm100年かけて作られて来た土、いのちをはぎ取る行為に片平さんは自分の肌をはぎ取られるような感覚になったといわれます。
「ゴルフ場も、メガソーラーも原発も過疎地がねらわれている。日本全体が「金」に目が向いている。光のあたらないところに光を当てるのが政治なのに、今は光のあたっているところに光を当てている。田舎、陽のあたらないところに住んでいると日本の矛盾がよく見えてくる。価値観の転換をしなければならない。お金ではなく、いのち。いのちが一番大切。自然を大切に。自然と共存し、荒れている日本の山を放牧で循環型の牧場にしたい」片平さんは、いのちが安心、安全に営まれ、育まれることを熱く語られた。ラウダト・シ・・・

大河原さんご夫妻と、4月からの活動をご相談。有機農業の株式会社設立がなされた話しを伺い、2018年度はまた1歩前に向って夢が膨らみました。
湯本の老舗旅館(創業元禄8年)「古滝屋」に泊まり、オーナーの話しになるほど、有機農業に土作りが大事なように、次世代のこどもたちを育てるにも土壌が大切で私たち大人がよい腐葉土にならなければならないんだと・・・続きは次号に     野上幸恵

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