「いぶき宿」通信 No.2

5月28日(木)29日(金)に第3回「いぶき宿」ツアーを行い、福島県田村市の有機農業の農家大河原さんの畑で、金糸かぼちゃ(糸カボチャ)の苗120本を定植してきました。この苗は、先月のツアーで種を植えたもので、芽を出し立派な苗として育っていました。

金糸かぼちゃの定植後、ジャガイモ畑の草むしり、そして、ひまわりの種まき、エゴマの種まきとしっかりと作業をしました。

大 河原さんがひまわりの種を畑一面に蒔かれたのには理由があります。この畑の隣りが大河原さんのズッキーニーの畑です。が、隣りの畑は耕作放棄地で雑草や ら、葛などがおい茂り、大事なズッキーニー畑を襲わんばかりだったそうです。それで大河原さんは隣の耕作放棄地を借りてひまわりの種を植えることにされた のです。このひまわりは油をとるひまわりなので、(私のように無知なものは、ビールのおつまみにする種を取るひまわりと油を搾るひまわりは違うんだという ことすら知らず、検討はずれの質問をしたり・・・)収穫後は油を搾ってもらい、天ぷらをしようと夢は秋に向っています。

このひまわりの種まきは、ご近所の農家のWさんご夫妻ともご一緒でした。Wさんは同じ地域でエゴマ、ひまわりを栽培し、その油絞りをされています。人懐っこいラプラドールとねこも作業に参加(???)

なんと、犬は放し、ねこがつながれていました。

(金糸かぼちゃの定植/定植の道具に歓声!)

(金糸かぼちゃの定植)

畑①

定植の道具に歓声!

 

 

 

 

 

 

 

ひまわりの種まき/一面ひまわりの花が咲くと見事でしょう! 今からニコニコ

ひまわりの種まき/一面ひまわりの花が咲くと見事でしょう! 今からニコニコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業を終えたわたしたちは、三春の里生活館のログハウスへ行って汗を流し、「えすぺり」に向いました。

「え すぺり」に作物を搬入しておられる農家の方々との交流会を企画しました。地域の復活を目指して日々努力を重ねておられる方々の、おいし〜〜い野菜、加工品 を口にしているわたしたちは、生産者の方々と会って直接にその思いをうかがいたいと思いました。10人の方々が農作業の後の疲れにもかかわらず集ってくだ さり、交流会を持ちました。

農家の方々もお互いに顔を会わせ、挨拶はしても、それぞれがなぜ有機農業をはじめたか、どういう思いで農業をし ているかを話し合ったことはなかった、よかった。これからもこのような機会をつくって個々別々でなく、村全体として地域の農業を活性化したいと話されてい ました。これがきっかけとなって地域が一つになっていくことを願っています。それにしても、耕作放棄地が増え、村にある100町歩の農地を継ごうとしてい る次世代は今のところ2人・・・

素敵な人々と一緒に有機農業をやってみたい人、いませんか?!

(交流会)

(交流会)

今回もう一つうれしいことがありました。

チェルノブイリ原発事故後に個人的にガイガーカウンターを購入された大河原さんのガイガーカウンターが3月15日になったのです。

大 河原さんはびっくり!!! その後、持っておられた「かぼちゃ小屋」(人形劇、地域のたまり場、子どもたちの学習の場として活用していたもの)を「市民放 射線測定所」として放射線を測って来られた「かぼちゃ小屋」が地震と放射能被害、そして大河原さんたちの一変した生活のために荒れ始めてしまいました。

大震災、原発(核)事故から5年目に入り、地域の活性化、また作業中に使うことの出来るトイレの整備を考えました。いただいた支援金をトイレの整備にあてることが出来ました。

 

かぼちゃ小屋入り口

かぼちゃ小屋入り口

夢のトイレ

夢のトイレ

 

 

 

 

 

 

 

かぼちゃ小屋1階

かぼちゃ小屋1階

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで、寝袋での宿泊も可能になり、隣りに小学校と中学校、幼稚園があるので、子どもたちの学習の場を提供すること、地域の人達との語らいの場ともすることが出来るようになりました。夢を広げる『トイレ整備』でした。

29日朝早く、宿泊先の三春の里生活館を出発し、避難先の葛尾村役場を訪ねました。

三春のダム周辺に浜通から避難して来ておられる人々の仮設住宅が多数あります。まだまだ帰ることが出来ず、また、自宅の再建もままならず、復興住宅に移転することも出来ずに仮設に生活し続けておられる方々が今必要とされていることが何かを伺うのが目的でした。

もし、アロマハンドトリートメントが喜ばれるようでしたら、それもわたしたちの出来ることかもしれません。何れにしても、望まれていることが何かを聴くことが先決。

仮 設団地から「えすぺり」に行くと、まるで誰かがどこかで導いておられるように、わたしたちが訪ねた葛尾村役場のある仮設の『葛尾村支援グループ』のかたが 来ておられました。誰も連絡をとったわけではないのに。また、その朝、大河原ご夫妻がわたしたちとつなぐためにこのSさんの話しをしておられたとか。そし てわたしたちが大河原さんの「えすぺり」を訪ね大河原さんとご一緒に活動するきっかけは、このSさんを通してだったのです。

神戸からのボラ ンティアさんたちをご案内して、葛尾村からの仮設に行ったときのお弁当を大河原さんが届けてくださり、そのとき自作の詩を歌ってくださったのです。原発が 事故をおこし、放射能が拡散し、土が汚染され、農作物から放射能が検出された時のことを詩にされていました。涙が流れたのを覚えています。帰り道に早速 「えすぺり」を訪ねたのが、「いぶき宿」に繋がり、今、円を描いて葛尾村の仮設、村役場に繋がってきました。

「えすぺり」での買い物をすませ、一路浜通へ。

磐 越道、常磐道を走り広野で高速を降りて、Jヴィレッジへ向いました。Jヴィレッジのレストランで昼食。切れ目なく1F(福島第1原発)、2F(福島第2原 発)などで働いている労働者が昼食に入れ替わり立ち代わり。同じところで働いている人がグループで食事をしておられる一角も。また、同じ派遣会社の人かし らと思われる会話も・・・

ロビーでは書類を広げているグループも。

今までとは違う場面に出会いました。若い人が多いのにびっくりしました。

富岡の駅(今は解体され、跡形もありません)、富岡の町を通りました。

駅につくられている慰霊碑の前で静かに祈りました。目の前には海が見えるはずですが、一面のトンぶくろ(放射性汚染物質をつめた1トンはいる黒い袋)の海。

駅前の壊れた家々は、未だにあの日のまま。5年目に入ってもあの日のままでした。

富岡駅前

富岡駅前

富岡駅前慰霊碑

富岡駅前慰霊碑

 

 

 

 

 

 

 


次回のツアーは6月25日(木)26日(金)

問い合わせは、下記の携帯電話まで。一般社団法人(非営利)「いぶき宿」(Meeting Place of Life)

事務所:横浜市戸塚区柏尾町1225−6

070-5569-6538

 

(野上幸恵 記)